軽くて大きい商品は「実重量」ではなく「体積重量(容積重量)」で計算する必要があります。
下記のツールでおよその貨物の容積を重量に換算し、容積重量をシュミレーションしてください。
容積重量計算ツール
実重量と体積重量(航空/国際宅配)またはCBM(海上)を計算し、大きい方(課金対象重量)を採用します。
箱の入力
# | 実重量 kg | 長さ cm | 幅 cm | 高さ cm | 体積重量 kg |
---|
- 寸法は外寸(梱包込み)で計算するのが一般的です。
- キャリアや契約により分母や丸め規則が異なります。最終的な課金は請求書をご確認ください。
- 単位: 重量=kg、寸法=cm。海上は CBM = (長さ×幅×高さ)/1,000,000。
EC事業者向け:国際輸送の重量計算ルールと基礎知識
海外から商品を仕入れるとき、輸送コストは利益を左右する大きな要素です。Amazonや楽天で販売している事業者が特に注意すべきなのが「重量の考え方」。国際輸送では 実重量(Actual Weight) と 容積重量(Volumetric Weight) を比較し、大きい方で課金されるのが基本です。ここでは航空輸送と海上輸送、それに加えて国際宅配との違いも含めて解説します。
1. 航空運賃の容積重量について
容積重量の計算式
航空輸送(航空貨物・国際宅配便)では以下の式で容積重量を計算します。 容積重量(kg)=縦(cm)×横(cm)×高さ(cm)5000容積重量(kg) = \frac{縦(cm) × 横(cm) × 高さ(cm)}{5000}容積重量(kg)=5000縦(cm)×横(cm)×高さ(cm)
※ 航空会社によっては分母が 6000 になる場合もあります。
具体例
60cm × 50cm × 40cm の箱 → (60×50×40)÷5000=24kg(60 × 50 × 40) ÷ 5000 = 24kg(60×50×40)÷5000=24kg
実重量が18kgであれば、24kg(容積重量)の方で課金されます。
「丸め」とは?
容積重量や実重量を計算したあと、小数点をどのように処理するかを指します。
代表的なルールは次の通りです。
- 切り上げ(Ceil):12.1kg → 13kg
- 四捨五入(Round):12.4kg → 12kg、12.6kg → 13kg
- 0.5kg刻み切り上げ:12.3kg → 12.5kg
キャリアや契約条件で異なるため、見積もりや請求時には必ず確認が必要です。
2. 海上運賃の容積重量について
海上輸送では「重量」よりも「容積」が重視されます。そのため容積重量ではなく CBM(Cubic Meter) で課金されます。
CBMの計算式
CBM=縦(cm)×横(cm)×高さ(cm)1,000,000CBM = \frac{縦(cm) × 横(cm) × 高さ(cm)}{1,000,000}CBM=1,000,000縦(cm)×横(cm)×高さ(cm)
例:100cm × 100cm × 100cm の箱 → (100×100×100)÷1,000,000=1.0CBM(100 × 100 × 100) ÷ 1,000,000 = 1.0 CBM(100×100×100)÷1,000,000=1.0CBM
課金方法
運賃は「1CBMあたり〇〇ドル」で設定されます。
重量はあまり重視されず、コンテナのスペースをどれだけ占有するかが料金の基準です。
※ ただし鉄材など極端に重い貨物は「重量トン(W/T)」課金になることもあります。
3. 国際宅配と航空貨物と海上ではなぜ計算方法が違う?
輸送モードによって計算方法が異なるのは、輸送手段の特性が違うからです。
国際宅配(DHL/FedEx/UPSなど)
- 主にEC事業者の小口輸送向け
- 分母5000が標準
- 書類や通関も簡略化され、スピード優先
- 箱数が多くても請求がシンプル
航空貨物(IATAルール)
- 航空会社やフォワーダーを通じて手配する中口〜大口貨物向け
- 分母6000を使うこともあり、丸め規則も厳格(1kg単位や0.5kg単位)
- 通関書類や航空運送状(AWB)が必須
- 大量仕入れやコスト調整に適する
海上輸送
- FCL(コンテナ単位)やLCL(混載)で大量輸送に最適
- 重さではなく「CBM」が課金基準
- コストは安いがリードタイムは長め
まとめ
- 航空便・国際宅配 → 実重量と容積重量を比較して大きい方を採用
- 海上輸送 → CBM(容積)が課金基準
- 丸め → 小数点処理のルール。キャリアごとに違う
- モード選択の意味 → 輸送手段ごとに計算基準が根本的に違うため、誤解すると大きなコスト差につながる
EC事業者は、自分の商品特性(重い商品か、かさばる商品か、大量仕入れか)に応じて最適な輸送モードを選ぶことが、利益を守る最大のポイントです。